大震災直後から消えては浮かぶ民主党と自民党の大連立構想。その「救国連立騒動」の正体が見えた。
震災と原発事故という「国家の危機」を救うのなら、大連立でも閣外協力でもいいから挙国一致態勢をととのえ、必要な予算と法案を作り、速やかに被災者救済を進めればいい。ところが、連立構想は被災者や国民とは無関係な論理で揺れ動いている。
震災直後に挙国一致を真っ先に言い出したのは自民党だったが、谷垣禎一・総裁はまたしても菅直人・首相の連立呼びかけに応じない姿勢を見せた。大メディアは「連立破談」と報じているが、内実は全く違う。
本誌は大連立工作が民主党の仙谷由人・官房副長官と自民党の大島理森・副総裁ラインで進められてきたことを4月15日号で指摘した。
自民党旧森派幹部は、「大島さんをバックアップする森喜朗・元首相や古賀誠・元幹事長ら長老グループは、谷垣総裁の代わりに大島氏を震災復興相として入閣させようと動いている。面白くない谷垣総裁は、“オレを外して交渉するなら破談にする”と駄々をこねた」と明かす。
※週刊ポスト2011年4月22日号