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支援なく孤立する高齢自宅被災者 携帯用カイロに泣いて喜ぶ

 被災者の避難生活が長引くにつれて問題が大きくなっているのが、高齢者たちへのケアだ。被災者の中には、家が全壊や半壊を免れ、“住み慣れた家がいい”と自宅で暮らし続ける高齢者もいる。しかし、住むところはあっても、ガスや水道も電気も通っていない。個人宅ゆえに彼らの元には支援が届きにくく、深刻な事態となっている。

 自宅でひとり暮らす70代の女性はいう。

「足が不自由で避難所にも行けない。知り合いがおにぎりや水を持ってきてくれるので、それでなんとか暮らしてます」

 もともと過疎の地域だったことにくわえ、震災でパートナーを亡くしたりして、彼女のように自宅で待つのみで、自分からは物資を取りに行けない高齢者がかなりの数いるという。こうした高齢者への物資支援を続ける宮城・石巻市のNPO法人「フェアトレード東北」の布施龍一代表はこう話す。

「飲料水が底をついたため、山の湧き水を汲んで過ごし、たくあんとおにぎりだけで過ごす老夫婦もいました。この夫婦の支援物資には赤ちゃん用のおむつがはいっていたそうです。近所のおばあさん3人が肩を寄せ合って暮らす家に行ったときは、携帯用カイロひとつ持っていっただけで泣かれて喜ばれて…。そんときは、自分がここを支援しなきゃダメだなって思ったんです。必要な人に必要なものが届いていません。いまも孤立している人たちはたくさんいて、本当にひっ迫しているんです」

※女性セブン2011年4月21日号 

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