悲しみや不安、疲労感が広がる震災後の日本。こんなときだからこそ読みたい“元気が出る言葉”を明治大学教授の齋藤孝さん(50)、そして精神科医の香山リカさん(50)に教えてもらった。
「家内は、『生まれてきたから生きている』というような人間です。」──水木しげる (武良布枝『ゲゲゲの女房』単行本帯より)
「生まれちゃったんだから、思い切って生きていくしかない」という、人としての原点を表すあまりにシンプルな言葉。「私って何?」と疑問に思わず、人生に起きたことを事実としてひょうひょうと、前向きに受け入れていく強さを感じます。運命に翻弄されることなく、どんなことも受け入れていく大きさ。“鈍感力”を持つ人のたくましさを感じます」(香山さん)
「世界は別に私のためにあるわけじゃない」── よしもとばなな(『満月』より)
「これは成熟した心を表す言葉です。未熟な心は、自分のために世界があってほしいと思ってしまう。でも現実はそうじゃない。それを知ることではじめて凛として立つことができるのです。自分以外のものに期待しすぎて、願望ばかり優先させるのは、弱さです。現実を見る強さがあれば、結局は自分次第なんだということがわかり、地に足がつくんですね」(齋藤さん)
※女性セブン2011年4月21日号