夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、広告代理店勤務のご主人(45歳)。奥様(43歳)の入浴方法に不満があるのだとか。
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子供たちは朝、シャワーを浴びるので、夜の入浴は僕と女房だけ。仕事柄、帰宅が遅いので、「冷めたお風呂のお湯を温め直すのは無駄だし、エコじゃないわ。帰る時間を必ず電話してね」と女房に厳命されています。
帰宅すると、浴室から「アナタ? 私、すぐに出るから」と、女房の声。この「すぐに」が長いんです。女房のヤツ、「痩せるため」半身浴をやっていて、汗をたっぷりかくまで1時間近く入浴しているんです。
結婚当初から20kg近く太った女房が痩せるのは僕も歓迎です。でもねェ……女房は自分の胸ぐらいまでのお湯で半身浴をしているんですが、僕が入ると、へその辺りまでしかお湯がありません。
「お湯を足す? ダメよ、アナタ! 湯船のお湯を洗い場に流しちゃ」って、流してないよ! へそまでしかお湯がないのは、お前とオレの体積の差なんだよ! しかもそのお湯も、女房の汗が溶け込み、ヌルっとした感じです。
「オレを先に入浴させてくれ!」と、これまで何度も頼んでいるんですが、返事はいつも「いいわよ!」。でも帰宅すると、浴室から「アナタ?」と、女房の声。くそーっ、また先に入ってやがる! でも、何もいえず、へそまでのお湯を両肩や背中に寂しくかける僕なのです。
※週刊ポスト2011年4月22日号