矢沢永吉、堀北真希、高島彩ら著名人総勢71人がノーギャラで参加したサントリーのCMがいま注目を集めている。故・坂本九さん(享年43)の『上を向いて歩こう』『見上げてごらん夜の星を』をバトンリレーで歌う、その映像から日本人の絆を感じずにはいられない。
「サントリーのCMは歴代、世界中から注目を浴びてきましたが、これは歴史に残る名作になりますよ」
と話すのはCM総合研究所代表の関根建男さん。幅広い年代の著名人が出演し、海外でも大ヒットした曲を選曲。自分の人生をも振り返させる力が共感を呼ぶ。
「商品をあえて出さないところに素晴らしいセンスを感じます。戦後最大のショックをあたえた東日本大震災のあと、CMはいま難しい時代にあるといえます。視聴者の共鳴、共感を得られないものはかえって反感を買い、逆効果になる可能性も。しかしながら、このCMは非難や反感といった感情をまったく感じさせず、むしろ企業に対する積極的な好感すら抱かせる。そんなCMをこんな短期間でつくったのはすごい勇気だったと思います」 (関根さん)
震災から1か月、前を向いて1歩を踏み出そうとする日本人の背中を押してくれるCMであることに間違いない。
※女性セブン2011年4月28日号