3月11日午後2時46分。そのとき、ラジオパーソナリティの小島慶子(38)は、東京・赤坂TBS9階のスタジオで、自身がメインパーソナリティーを務めるTBSラジオ『小島慶子キラキラ』(月~金曜・午後1時~3時30分)の生放送中だった。番組を聴いていたリスナーに、まず届いた小島の声。
「マイク、生きてますか。マイク、生きてますか」
強い揺れに動揺はあったに違いない。しかし、彼女は次の瞬間、早くも息を整えながらこう繰り返した。
「いま、揺れを感じている皆さんは、まず身を守ってください。いま、強い揺れを感じている皆さんは、まず身を守ってください」
声をのみたくなることを必死に抑えているのが、その息遣いから感じられる。
「火を使っているかたは火元から離れ、まず頭を守ってください。まず頭を守ってください」
天井から吊るされたマイクは、左右に大きく揺れ続けていた。スタジオの什器がいまにも倒れんばかりに音を立てている。そんな中、小島は天井から下がっているマイクの前で床に膝で立ち、揺れるテーブルに掴まって、「まず落ち着いてください」「身を、頭を守ってください」そう繰り返した。
後日。小島との一問一答。
――怖くなかったですか?
「もちろん、怖かったです。私、地震は嫌いなんですよ」
――よくああした言葉が出ましたね。
「局アナを15年やっていた間に、何度か訓練を受けていました。マニュアルも配られていて目を通していたので」
――冷静でしたね。
「怖かったの…。ひとりで暮らしているお年寄りや赤ちゃんを抱いているお母さんとか、もっと怖いだろうなと思って。もっと怖い人に何をいおうかなと思ったんです」
※女性セブン2011年4月28日号