現在、日本国内発電量全体の26%を占めている原子力発電。福島第一原発の深刻な事故によって、原子力発電所の是非がささやかれているが、仮に原発を廃止した場合、4分の1を占める原発エネルギーは代替できるのかという問題が生じる。
しかし、こんなデータもある。
これまでに実際に使用された全国の電力量の最高記録は、猛暑だった2001年7月24日の1億8269万kW。ところが、電気事業連合会が公表している全国の電力10社の電力供給能力を見ると、火力と水力だけでこの数字を上回っているのだ。
しかし、東日本と西日本とでは簡単に余剰電力を融通し合うことができない。
そもそも明治時代に輸入した発電機が東日本と西日本で違っていたために、いまだに周波数が違い、変換機を使って西から東へ送電できるのは、現在、東京電力が必要としている不足分のわずか10分の1ほどでしかない。ある全国紙記者はこう話している。
「余った電力を譲り合うという考えが、いままで東京電力にも関西電力にもなかったんです。お互いに自分のテリトリーを邪魔されたくないというプライドとライバル意識があるようなんです」
※女性セブン2011年4月28日号