計画停電の“終結宣言”が出たとはいえ、まだまだ安心できない。これからの夏、東京電力が供給できる電気量は最大5000万kW程度との見通しが発表されたが、今夏の需要のピークが、猛暑だった前年並みの6000万kWに上るとすれば、まだ足りない。
そうなれば企業だけでなく、家庭でも節電が求められることになる。家庭での夏の電力消費のうち、最も多くを占めるのはエアコンで、実に25.2%に達する。しかし、無理してエアコンを止めてしまうと、小さな子供や高齢者のいる家庭では熱中症の心配が。切らずに節電するにはどうすればいいのか。節約アドバイザーの丸山晴美さんはこう話す。
「いつもより設定温度を上げるだけでもかなりの節電になります。例えば普段26度に設定している家庭が28度にすると、電力消費量は32%削減。平均的なエアコンの電力使用量から計算すると、1時間あたり445Whの節電になるんです」
1日に2時間28度で我慢するだけで、890Whも減らせるというわけだ。「28度じゃ暑い」という人には、エアコンと扇風機の併用がおすすめ。
「扇風機の消費電力は“強”でも50 Wh程度。2時間つけても100Whなので、差し引き790Whの節電になります。体感温度を下げるコツは、下向きにすること。冷たい空気は下のほうにたまるので、冷たい空気が循環してより涼しく感じられるんです」(丸山さん)
窓を通じて家の中に侵入してくる熱気をシャットアウトすることも大事だという。
「ホームセンターなどで売っている断熱シート(1500円程度)を窓に貼ると、夏は体感温度で2~3度涼しくなるといわれています」(丸山さん)
また、エアコンのフィルターにほこりがたまっていると、運転効率が下がり、結果的に消費電力を増やすことになる。
「2週間に1回をめどに掃除するだけで1時間あたり11 Whの節電に。1日9時間つけているとすると、約100Whも違います」(丸山さん)
最新機種のエアコンは、12年前の製品に比べて40%も省エネになっているうえ、フィルターの自動掃除機能がついているものも多い。これを機に買い替えを考えるのもひとつの方法だ。
※女性セブン2011年4月28日号