国の防災基本計画を作成する「中央防災会議」の「首都直下地震対策専門調査会」が2005年7月に公表した、首都直下地震が起きた場合の被害想定によると――
●避難者
地震発生初日に700万人。うち避難所生活者は460万人で、1か月後も270万人が避難所で暮らす。
●帰宅困難者
東京都内で390万人、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)では約650万人。
ちなみに3月11日、東日本大震災当日の夜に都内で発生した帰宅困難者は約10万人とみられる。実にその39倍の人々が都内に取り残されることになる。首都直下地震避難対策専門調査会委員で危機管理アドバイザーの国崎信江さんが「(中央防災会議の想定した)数字はむしろ甘いという見解もある」と前置きしたうえで、続けた。
「都内の帰宅困難者は100万人単位になるのではないでしょうか。都内全域が東京マラソンのようなイメージになる。直下型地震直後となれば、超高層ビルからいろいろなものが落ちてきて目の前でバタバタと人が倒れる、火災が起きても逃げるに逃げられないということになりかねません。学校や事業所は、生徒や社員をその場にとどめ帰宅させないようにすべきです」
※女性セブン2011年4月28日号