芸能

吉田照美 TVの自粛ムードに「歌も笑いもなし。これは違う」

軽快で陽気な語り口で親しまれているラジオパーソナリティの吉田照美(60)は、朝の番組『吉田照美ソコダイジナトコ』(文化放送・月~金曜・午前6時~8時30分)を終え、ひとりで自宅にいたときに地震に遭った。

「もし、生放送中に大地震がきていたら、逃げたいと思ったかもしれません。マイクの前で格好よく死にたいという気持ちもあるけれど、パニックになって職場放棄してしまう可能性もある。こればかりは実際になってみないとわかりません」(吉田)

その吉田は、震災をめぐるテレビと新聞の報道姿勢に強い疑問を感じたという。

「国民を安心させようとしてのことなのか、それ自体おこがましいんですけど、言葉があいまいで、しかも横並び。これじゃあ逆に信じられないよね、と。それでぼくは、海外ではどう報じられているかなど、テレビや新聞がまだ伝えていない情報をできるだけ伝えていこうと思ったんです」(吉田)

ツイッターで精力的に発信をしながら、人々の意見を探った。原発の設計段階で不備があったのではないかという見方をいち早く報じたのも、そうした方法で知った海外発の情報がもとだったという。

一方で、震災数日後からは、積極的に音楽をかけるようにした。反原発のメッセージが込められた忌野清志郎の『ラブミーテンダー』、『赤とんぼ』などの唱歌。そして美空ひばり特集、『A列車で行こう』などのジャズ。

「テレビは朝から晩まで地震・津波一色。自粛ムードで歌も笑いもなし。これは違うんじゃないかと。普段通りの生活環境を少しでも整えること、それがぼくのやるべきことなんじゃないかと、いささか怒りにも似た感情を覚えました。被災地のリスナーのかたにとっても、こんなときだからこそ何気ない会話や言葉、そして音楽が必要だろうと」(吉田)

そう語る吉田のツイッターには、被災地のリスナーから「好きな曲をかけてくれてありがとう」というコメントが送られている。

※女性セブン2011年4月28日号

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