原発事故の対応をめぐって東京電力への批判が止まない。経営幹部の責任は厳しく問われるべきだが、一般社員たちもまた、激しいバッシングの矢面に立たされている。
30代男性社員が嘆く。
「社のクルマがパンクさせられたこともあったので、クルマに貼ってあるオール電化キャンペーンの『Switch!』のステッカーをドライヤーで剥がしました。こんなときにオール電化とは何事か、とクレームがついたようで」
ところが、オール電化の新規営業中止が決まったため、家電量販店などに「ステッカーなどを外して下さい」とお願いに行ったところ、今度は店側から「なんでこっちにしわ寄せが」と怒りを買う八方ふさがり。
プライベートでも肩身の狭い思いを強いられている。
「一番つらいのは、趣味や飲み屋で知り合った人にも、勤めている会社が東電だといえないことです。いったからといって何もないかもしれませんが、相手の表情を見るのが怖い。計画停電のことがあるから、近所の視線も気になってしまうんです」(50代男性)
「友人は間近に控えていた結婚式をキャンセルしました。上司も祝辞がいえないだろうし、社内では当然という感じですね。自分も結婚を考えている女性がいますが、彼女も正直、不安そうです」(30代男性)
※週刊ポスト2011年4月29日号