鋭い市場分析で、日本株や新興国投資のカリスマとして知られる戸松信博氏(グローバルリンクアドバイザーズ代表取締役)は、震災後の日本株投資について、「普段は大きく下がらない銘柄を安値で仕込んでいく好機」と考えているという。同氏がこれから「上がる株」として注目しているのは「ディー・エヌ・エー(DeNA)」(東証1部・2432)だ。
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携帯ゲーム『モバゲー』などが人気を集めているが、同社最大の魅力は米ナスダックの高成長銘柄と比べてまったく引けをとらない財務内容と成長力にある。
2010年12月末の自己資本比率は69.54%、ROE(株主資本利益率)は54.26%にも上り、私が調べた限り、自己資本比率とROEがともに50%を超える日本企業は同社を含めて数社程度しか見当たらない。加えて、四半期ごとの利益成長率は前年同期比で2倍以上に膨らみ、米ナスダックの高成長銘柄を上回る大幅な増益を4期連続で叩き出している。野球ならメジャーで十分通用する“イチロークラス”といっても過言ではないだろう。
ナスダックの高成長銘柄はPER(株価収益率)50~100倍もザラだが、同社の2011年3月期予想PERは15倍程度。仮に同社がナスダックに上場していた場合、株価はもっと高くなっていてもおかしくないほどだ。
同業のグリー(東証1部・3632)も魅力的だが、ディー・エヌ・エーの方が規模が大きく割安感がある。株価が2000円近くまで下がるようなら強く狙いたい。
※マネーポスト2011年5月号