ペットホテル「アニマルガーデン新潟」を運営するイザベラ・ガラオン青木さん(47)は、東日本大震災で被災したペットを保護する活動を行なっている。現在、イザベラさんのペットホテルでは60匹の被災したペットを保護している。
イザベラさんは、被災したペットのケアに心を砕いている。心の傷(PTSD:心的外傷後ストレス障害)を抱えているケースが多いからだという。イザベラさんはこう話す。
「ある子は保護された後も、3週間ずっとおびえたままで、人が近づくと吠えたり、かみつくような仕草をします。ペットにも心の傷があり、すぐには癒えません。落ち着いた環境で、優しくなでたり触れたりして、おいしいものを食べさせてやる。それで、少しずつ落ち着いてくれます」
とはいえ、60匹の被災ペットを保護した現在、ペットホテルは飽和状態。残念ながらイザベラさんにも、6名のスタッフにも1匹ずつとゆっくり触れあっている時間はない。震災の恐怖から立ち直らせるには、いまの施設よりもじっくり面倒を見てくれる里親のもとで過ごすのがペットたちにとっては最善だ。現在は、一時預かりの里親ボランティアを募り、飼い主に飼育放棄された犬猫については新しい飼い主を探している。
取材中にも新潟市内に住む男性がやってきて、一時預かりを申し出ていた。次から次へと電話がはいり、里親希望者が訪ねてくる。その対応に朝から夜遅くまで追われているイザベラさんはこう訴えた。
「災害のたびに被災したペットは孤立してしまいます。ペットは飼い主にとって家族です。日本は災害が多いのだから、例えば避難所でもペットと生活できるような法整備をするなど、災害対策にはペットのことも加えるべきです」
※女性セブン2011年4月28日号