学生から寄せられるこのカードに思いやりとウイットに富んだ言葉で答えてくれる『生協の白石さん』が一躍大ブレイクしたのは2006年。そしてまたいま、続編ともいえる『おかえり。5ねんぶりの生協の白石さん』(ポプラ社)が出版され話題を呼んでいる。“生協の白石さん”こと白石昌則さん(41)はこう話す。
「最初の本が出たときは、反響も大きく、類似本やお悩み相談の依頼が多数きましたが、基本的にはすべてお断りさせていただいたんです。あくまでも“ひとことカード”は業務の一環で、私は悩み相談のプロではありませんから(笑い)。
いまは、2008年に東京農工大学から異動になり、東京インターカレッジコープの店長を務めています。ここは生協のない大学の学生が利用できるように設けられている店舗。今回の本は、まだ広くは知られていないこの機関の認知度を広めるための機会になればいいなと思ってお引き受けしました」
特定の大学の生協勤務ではないなら、あの“白石節”は封印されてしまったのかと思いきや、心配無用。現在は、ツイッターで白石さんは学生たちの要望に応えているという。今回の著書には、ツイッターの傑作選も含まれている。140字という制限された文字数でいいたいことや思ったことを伝えるツイッター。思えば、掲示板に張られるカードに収まるよう、限られた文字数で学生の関心を惹くようにキャッチーな回答を捻出してきた白石さんにこれほど適したコミュニケーションツールはないように思える。
「よくいわれますね。書きたいことを自由に書こうとすると実は140字では足りないことがあるんですが、読み手からするとそれ以上の文字だと読みづらく、結果として伝わらない。140字という文字量は、自分が伝えたいことを簡潔に表現するという技術は鍛えられますね。いいレッスンになっています。私は、ツイッターに投稿するとき、iPhoneでいつもつぶやいているんですが、今回の本も、業務外の仕事ということもあって、仕事の行き帰りの電車の中とか空き時間に、回答を書いていたんです」
※女性セブン2011年5月5日号