東日本大震災では様々なデマが日本中を飛びかった。「うがい薬を飲むと放射能汚染を防げる」というのもその1つ。その噂を証明するデータが、市場調査によって明らかになっている。
ドラッグストアなどの小売店販売データによると、3月7~13日の全国のうがい薬の売り上げは前週比約1.4倍に。さらに3月14~20日の売り上げは、前々週比2倍以上にまで跳ね上がっている。
とりわけ、被害に見舞われた東日本は売り上げ増加が顕著で、東京都では、うがい薬の売り上げが震災前(2月28~3月6日)と震災後(3月14~20日)で約3.5倍に激増。さらに、福島で2.7倍、茨城で約2.6倍、宮城で約2.5倍と、いずれも爆発的な売り上げを記録している。また参考のため、前年同月比と比べても、やはりこうした傾向は数値に現れており、東日本の各都道府県では、軒並み前年同月比の売り上げが2~3.5倍になっている。
業界関係者によれば、このようにうがい薬が爆発的に売れたのは、2009年春の新型インフルエンザのパンデミック騒動以来とのこと。ただし、主要製薬メーカーは有事に備えて一定の製品在庫を備蓄するよう努めているため、今回の騒動でもうがい薬が棚から消えるようなことはなかったそうだ。