まだまだ大丈夫と思っていたら大間違い! 40代から始まるといわれる生活習慣病には、命に危険がおよぶ深刻な病気も…。
糖尿病は40代で急激に増える生活習慣病のひとつだ。上本町わたなべクリニック院長・渡邊章範さんはこう説明する。
「すい臓で作られるインスリンの働きが悪くなったり不足することで、体を動かすエネルギーであるブドウ糖が細胞にうまく取り込めず、血液中の糖分が多くなってしまうのです」 主にインスリンを作る細胞が破壊される1型と、加齢や生活習慣によって出る量が少なくなったり働きが悪くなる2型に分かれるが、日本では約95%が2型になる。
肥満も主な要因のひとつだが、そうでなくてもかかる人が多い。炭水化物を摂りすぎたり、野菜不足、過食など食生活の乱れも大きな原因のひとつだが、「遺伝的要因もあり、血縁者に患者がいる人は注意が必要です」(渡邊さん)
また、糖尿病は初期の段階では症状が表れにくい。「高血糖になるとのどの渇きや末梢の血管が障害を起こし、手のしびれなどが感じられるようになりますが、これはかなり進行している状態。発症してから10年放置しておくと失明したり、腎臓の血管を詰まらせることで腎不全を起こす危険性もあります」(渡邊さん)
自覚症状がないからこそ、早期発見が必要。まずは血液検査で血糖値を測ることが不可欠だ。「初期として診断された場合は、食事の改善と日々の生活に運動を取り入れることから始めます。運動はウオーキングなど毎日続けられるものを。食生活は肉よりも魚、野菜中心にし、腹八分を心掛けましょう」(渡邊さん)
それでもだめなら、血糖値を下げるのみ薬の投与など薬物療法となるが、早期発見すれば、日々の生活の中で改善でき、合併症も防げる。
※女性セブン2011年5月5日号