近年、増加の傾向にあるといわれるうつ病だが、女性は特に注意が必要だ。
「人生のなかで初潮、妊娠・出産、更年期とライフイベントが多い女性は男性に比べ、2~3倍うつ病が多いといわれています」というのは、品川心療内科・対人関係療法外来の生野信弘さん。更年期にうつ病を併発する女性も少なくない。
「うつ病の原因は脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの減少です。それにより、何ごとにも無気力になったり、イライラして落ち着かなくなったり、食欲がなくなったりします。こうした神経伝達物質がトラブルを起こす背景はストレスが原因です」(生野さん)
治療法としては、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法のほかに、心療療法などが行われる。ふたつを併用することも。しかし、できれば、日ごろからの注意で発症しないようにしたい。
「女性では、人づきあいで本音がいえない人や、周りに気を使いすぎて真面目な人がうつ病になりやすい傾向にあります。夫や子供、友人、誰でもいいので、本音をいえる関係の人を持つこと、そして、“何とかなるだろう”と、前向きに考えることが大切です」(生野さん)
※女性セブン2011年5月5日号