ソフトバンク社長・孫正義氏の「志」に迫った本誌連載『あんぽん孫正義伝』。連載終了と同時に日本を国難が襲った。孫氏は次々と被災者支援を打ち出す。以下は、『あんぽん』筆者の佐野眞一氏(ノンフィクション作家)が孫氏に「買い占め」について聞いた。
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――問われているのはリーダーの器だけじゃない。略奪もほとんどなく、東北の人たちの素晴らしさが讃えられる一方、東京では買いだめ行為に走る日本人の醜さも見せられました。
「キレイごとをいっても、わが事が先になるのが自然のことかもしれない。けれど少しでも力のある人は手をさしのべないと、と思う。
むしろ、お金も力もない若い人たちが大勢、学校や会社を休んでまで被災地に行ってボランティア活動を行っている。彼らには頭が下がるし、尊敬もしてます。その人達にさらに助力ができればいいなと。この震災では、醜いこともいくつか見えたけれども、素晴らしいこともたくさん見えた。それも事実です」
※週刊ポスト2011年5月6日・13日号