夏を控え、ビール大手各社は「ノンアルコールビール」商戦にしのぎを削っている。これらノンアルコールビールは大体120~140円ほどで発売されているが、イオンのPB(プライベートブランド)「トップバリュ」が4月21日から発売している「バーリアル」シリーズはいずれも88円。
イオンは2010年6月に新ジャンルビール「トップバリュ バーリアル」を発売開始。NB(ナショナルブランド)に割って入る形となったわけだが、同商品は今年4月には販売1億缶(350ml缶換算)を突破。さらなるバージョンとして、同月よりアルコール分0.00%の「トップバリュ バーリアル アルコールフリー」と、アルコール分0.00%、カロリー、糖分がゼロの「トップバリュ バーリアル 3つのフリー」という2商品を発売開始している。
この激安価格について、イオンの広報担当は「今回は酒類ではないので、酒税の積み上げはありません。単純に酒税分を差し引いた形で圧倒的価格優位性を打ち出すことができました」と説明する。
また、物流の面でも、通常は免許の関係上卸を通す必要があるものの、0.00%のため「炭酸飲料」扱いとなり、製造工場から各地にあるイオン物流センターへ直接配送することが可能となった。これにより物流中間コストを削減できたのだという。
NBと比べれば明らかに安く、「他社が120~140円なのだから、少し安い100円~110円程度でもよいのでは?」と聞いてみると、「トップバリュとして、絶対的安さをアピールするためです。また、NB商品との価格優位性もさることながら、価格競争を高めたいとの狙いもあります」とのこと。同商品が、イオンのPBの「戦略商品」であることも明かした。
味については納得いくまで試作を繰り返したようで、「上々の評価をもらっています。特に『3つのフリー』は一部のNBに比べてもおいしいというお声をいただいております」とのこと。