石原慎太郎都知事からは「パチンコやる人も我慢なさい」「パチンコ店は真夜中に営業すればいい」などといわれ、「無駄な電力消費」としてやり玉に挙げられているパチンコ。業界はいったいどういう節電対策を取る予定なのだろうか、パチンコ専門誌記者はこう話す。
「パチンコ店の業界団体では東京電力管内のホールでの輪番休店を提案しています。都内のホールは年中無休がほとんどなのですが、今年の夏場は週に1日ほど営業を休む日が出てくるかもしれません。また、“各店舗15%以上の電力削除”というノルマを課して節電に努めるとのことです」
しかし、業界内には節電に対して温度差があるという。
「東京都のホール組合である都遊協は、計画停電地域外のホールに対して“最低3時間の営業時間短縮”と通達しました。しかし、それを無視して通常通りの時間で営業したホールもいくつかあったようです」
足並みが揃ってないとはいえ、ホールは節電を強いられているわけだが、その一方でメーカー関係者は震災直後に東日本から脱出していたという。前出の専門誌記者はこう証言する。
「名古屋に本社を置く某社の社員は本社から“名古屋から西に移動しろ”と指示が出たそうです。実際、多くの社員が名古屋に逃げていました。ホールの店員たちからは“自分たちだけ逃げやがって”とブーイングだったみたいです」
東北地方の部品工場が被災した影響もあって、パチンコ機の製造が大幅に遅れており、新機種の販売が困難な状態にあるという。逃げる、逃げないはさておき、メーカーにとっても、ホールにとってもかなり厳しい状況であることには違いなさそうだ。