“母性とは何か”を鋭く問う、角田光代さんの小説『八日目の蝉』は、現在130万部を突破する大ベストセラーとなっている。昨年春にはNHKでドラマ化されたが、このとき主役の野々宮希和子を演じたのが、元タカラジェンヌの女優・檀れい(39)。血のつながらない子供に対して母性を育んでいく演技は高い評価を受けた。
それから1年。4月29日公開の映画で希和子を演じるのは、永作博美(40)。同じアラフォーでも、独身の檀れいに対し、永作は2009年に結婚、昨年5月に男の子を出産したばかり。
映画ライターの渡まち子さんは、ふたりが演じる希和子をこう比較する。 「永作さんは記者会見でも“母親になったからこそ演じられる役”という主旨の発言をしていましたが、娘を抱きしめて泣き笑いみたいな表情を浮かべるシーンでは、子供に対する思いがにじみ出ていました。
逃亡前に髪を切るシーンがあるのですが、永作さんはかつらを使わずに自分の髪をばっさり切ったそうで、ほぼすっぴんのシーンもありました。逃亡中の服装も、檀さんがこざっぱりしていたのに対して、永作さんはあえて安っぽいものを着ていました。清純で端正だった檀さんに対して、多少見た目がボロボロになっても役にはいり込んでいる永作さんには、よりリアルな母性を感じましたね」
※女性セブン2011年5月12日・19日号