ほぼ全域が福島第一原発20km圏内の避難地区に含まれている福島県・楢葉町。造園業を営んでいたBさん(73)は楢葉町のはずれにある町営住宅に住む。約70km離れたいわき市の避難所に一時避難したが、一昼夜かけて慣れ親しんだわが家まで歩いて戻ってきたという。
「どうも避難所の生活は性に合わなくて。一緒に避難していた女房にも何もいわず出てきちゃった。それ以来、女房とは電話でも話してない」(Bさん)
ある時、家にいるとドイツのNPOが突然訪ねてきて、水60リットルとワインを1ケース置いていった。
「ワインなんて飲んだことないから、焼酎のほうがいいね。買い物は自転車でいわき市まで行けばできるし、不自由はない。放射能はあまり怖くね。外に出なけりゃいいんだろ」(Bさん)
※女性セブン2011年5月12日・19日号