著書に『あの4億円脱税主婦が教えるFX勝利の真髄』などがあり、FX(外国為替証拠金取引)界のカリスマ主婦として知られる池辺雪子氏。なんといっても注目すべきは、これまでFXで8億円も稼ぎ出したというその手腕である。
そんな池辺氏のもとには「どうすれば勝てるのか?」という投資家からの相談が続々と集まっている。そのうちの一つをここで紹介しよう。
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【質問】
「損切り」ができるようになったのですが、利益が増えません。どうしてでしょうか。
【池辺氏の回答】
FXの解説本やセミナーなどで、著者や講師の方が強調するのは、損切りの重要性です。ストップロス(損切り指値)をきちんと入れておけば、大きな損失を出さずに済む、ということなのですが、実は、私は損切りがそんなに重要だとは思っていません。逆に、こまめにすることで、利益を出すチャンスをみすみす逃してしまう、と考えています。
例えば、ドルの買い注文を入れたときに、約定した水準よりも10銭円高にストップロスを入れると、ドル安が進んでも大きな損は出ないでしょうが、すぐに損切りが行なわれて、ドルが上昇に転じたときに利益を出すことができません。これでは、みすみす儲けるチャンスを逃しているようなものです。
私は、資金管理さえしっかりしておけば、損切りのためのストップロスは必要ないと考えています。ここでいう資金管理とは、投資資金を証拠金の3分の1から半分までに留めておくことです。そうしておけば、相場が自分の予想と反対方向に動いても、強制決済されず、ある程度耐えられます。相場が自分の予想通りに動くまで、じっくりと待てるわけですね。先日の震災後の急激な円高時も、証拠金に余裕があれば、ストップロスを回避できたと思います。
ただし、3分の1から半分というのはひとつの目安であって、FX業者によっては建てられる枚数に差が出ます。レバレッジで見た場合、10倍前後に収まるようにしておきましょう。
欲張って証拠金の目いっぱいまで建玉を増やし、運用資金を大きくするから、損切りが必要になるのです。私がストップロスにかかったのは、この10年で2回だけ。それも、全体の建玉が大きくなりすぎて、それを整理するためにストップロスを入れたものです。
相場が予想と反対方向に行くと、心中穏やかではありません。余裕を持って見守るためには、やはり、しっかりしたテクニカル分析に基づいてトレードすることが大事です。
※マネーポスト2011年5月号