同居中の姑・嫁問題の中には「価値観の相違」に依るものも多く、それは些細なものも多い。中には「こんなことで…」というものもあるが、小林千登勢さんはかつて「洗濯」に関する悩みを打ち明けていた。(女性セブン1988年2月4日号より)
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わが家は姑、夫、私、娘の4人暮らし。広くもない都会のマンション生活では、正直なところ息のつまることもあり、お姑さんとはよく衝突しました。同居してかれこれ15年ですが、気がねせずにすんなりした関係になるまでに、10年はかかりましたよ。
ケンカの発端はささいなことなんですよね。家事のやり方の違いがもとで、しょっちゅう、いいあい。おばあちゃん(姑)は、とにかく大雑把で、部屋はさっさとまるく掃く、整理整頓はまったく苦手という具合で、台所に立つたびにガシャーン。
「ママ、欠けちゃった。もう寿命だったんよね」
毎日のようにお茶わんやカップが割れ、食器の数が減ってゆくわけ。ある日ね、洗濯機をなにげなくのぞいたら、すごいショック。なんと洗濯機の中に、娘のおむつ、夫やおばあちゃんのパンツと一緒に雑巾、それに台所の布巾が仲よくはいっちゃってたの。
「おばあちゃん、お願いだから、雑巾と布巾は絶対に一緒に洗わないで!」
「わかりました…」
ところが、4~5日して洗濯機をのぞくと、前とおんなじ。カーッと頭に血がのぼり、
「またパンツも布巾も一緒じゃない、どうしてなのよ…」
すると、おばあちゃんは、ガミガミいう私を諭すようにこういうわけ。
「あのね、パンツと布巾が一緒だからって、なにも病気になるわけじゃないよ。ぜ~んぶ洗濯機の中で消毒されてきれいになるよ」
本音をいえば、こういうのって非常に感覚的な問題なんですよ。病気になるとか、清潔さがどうとかの問題じゃなくて、やはり血のつながらない者同士が一緒に暮らしたために起こった、理屈では説明できない感情だったんでしょうね。