春になってくると新しい食材が次々と登場します!……というわけで、雑誌『料理王国』元編集長の土田美登世氏がセレクトした『旬菜 本多』(東京・麻布)の「鯛めし定食」を紹介します!
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春の魚というとやっぱり王者は鯛でしょう。年に2回旬があるというが、そのうちのひとつが今で、真鯛は桜鯛とも呼ばれている。
『旬菜 本多』では愛媛県から直送された鯛を使った「鯛めし定食」が食べられる。鯛の骨からとった出汁をベースに炊いたご飯にほぐした身をまぶし、切り身ものせた鯛めしのほか、料理法を変えた旬の魚がたっぷり盛り込まれている。はんなりとしたうまみのご飯に多彩な旬の魚。これで1500円はお得だ。
「春の鯛は、脂分が少ないのであっさりしていますが、身そのもののうまみは強いんです」とは、店主の本多裕一さん。愛媛の漁師町出身で、水産会社と鮮魚店に勤めたあと、本人曰く「魚をおいしく食べてもらいたくなって」料理人となった。
実は、店の魚は水産業を営んでいた父親がいいものだけを選んで送ってくる。時化の時以外は天然物。だから、鯛めしは一年中あるが今だけの味が楽しめる。
■『旬菜 本多』の「鯛めし定食」1500円(ランチのみ)
【住所】東京都港区東麻布2-30-9
【営業時間】月~金11時半~14時、17~22時(LO)、土18~22時(LO、要予約)
【定休日】日祝
【カード】可
麻布十番駅から徒歩5分のところにある魚料理の店。昨年の7月にオープンした。昼は「鯛めし定食」のほか1000円と1200円の「刺身定食」、夜は6300円と8400円のおまかせコースがある。夜のおまかせコースには、この店の名物である愛媛県から直送された鮮魚の塩釜焼きが組み込まれている。弟さんも浜松町で『本濱』という同じく魚料理を中心とした料理店を営業。
撮影■河野公俊
※週刊ポスト2011年5月6日・13日号