「岩手・宮城・福島にある9か所の営業所が全壊。ドライバーの安全も考え、荷物の集配の一時停止を指示しました。でも復旧の動きは現場から始まりました。ドライバーたちが一刻も早く自分たちに仕事をさせてほしいというのです」
というのは、ヤマト運輸広報課長の高松徹さん。
ドライバーたちはその先に荷物を待つ人がいれば、散乱した瓦礫の間をすり抜け、越えていった。届け先の人が避難所にいると知れば、避難所まで届けた。
“荷物を届けたい”という熱い思いは、救援物資を運ぶ場面でも発揮された。
「宮城県南三陸町で、集積所には救援物資があるのに避難所には届いていないことに気づいたドライバーが、クロネコヤマトのトラックを使って自主的に避難所まで配送しました。地元の道という道を知り尽くしたドライバーの“現場力”が生かされました。本来の業務以外で会社のトラックを使うのは勇気がいったと思いますが、会社では後日“救援物資輸送協力隊”の業務として公認し、全面的に支援を行いました」(高松さん)
※女性セブン2011年5月12日・19日号