東日本を広範囲に襲った今回の大震災から立ち直るには、長い年月がかかるだろう。だが交通の復旧、がれきの撤去、仮設住宅の整備など、復興の光は少しずつではあるが、確実に見えてきている。3.11 から2か月経ったいま、被災直後と同じ場所をカメラに収めた。
被災地の定点観測第1弾は、3月14日と4月30日の陸前高田市の情景である。
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残った自宅の前に佇む80歳の女性。眼前まで迫った津波の被害は岩手県陸前高田市の景色を一変させた。しばらくは表に出る道も塞がれ、裏手の山を通って外出していた。「50年前に襲ったチリ地震の津波被害がまた思い出されます……」と呟いた。
撮影■小倉雄一郎
※週刊ポスト2011年5月20日号