フィギュアスケート世界選手権の放送で瞬間最高視聴率35.5%を記録したのは、優勝した安藤美姫のフリーの演技だった。キム・ヨナを凌駕する見事な滑りを楽しみながら、世の男たちはそのセクシーな衣装に釘付けになっていたに違いない。特に鋭く切れ上がったあのハイレグには「競泳選手の水着並みだ」と絶賛の声があがった。スポーツ紙記者が語る。
「足を長く見せるためにハイレグにしているようです。布の面積が大きすぎると、お尻も大きく見えてしまいますからね。フィギュアでは胸にブラの代わりにパッドを入れるのですが、安藤はエキジビションでブラを強調した衣装で登場したこともあります。あまりのセクシーさに眉をひそめる関係者も一部にはいるようです」
彼女の衣装に変化が訪れたのは、トリノ五輪後にモロゾフコーチと組んで優勝した2007年の世界選手権の頃だという。
「初めて4回転を跳んだ時に着ていた水色をラッキーカラーとして以前はよく着ていたのですが、モロゾフ氏と組んでからは赤や黒、紫、豹柄などを衣装に盛り込むようになりました。
背中や腰まわりの肌を露出する場合は、肌色の布をつけなければなりませんが、そこにも透ける生地を使ったりと、色気を前面に押し出しています」(前出記者)
衣装は曲と振り付けが決まった段階で本人と振付師の意見を聞きながらデザイナーが制作するが、全体的な演出はコーチが監修する。セクシー衣装もモロゾフコーチの好みだといわれており、安藤本人も気に入っているようだ。 あまりの妖艶ぶりに、「男性審判の歓心を買おうとしているのではないか」と訝るにわかファンも少なくないが、日本スケート連盟関係者は笑って否定する。
「女子フィギュアでは10人の審判のうち6~7人が女性であることが多く、セクシーすぎては反感を買うだけでしょう。しかもルールブックには、『裸体を連想させる衣装はNG』という一文があります。過度にエロを強調しても、転倒と同じ減点1の対象とされてしまうだけです」
※週刊ポスト2011年5月20日号