避難生活が長期化する中で、被災者たちはストレスも溜まり、結果として行政に対してクレーマーのようになってしまう人も、出てきているという。
福島県の避難民を受け入れている、山形県の体育館職員が重い口を開いた。
「避難してきた方たちもイライラしていたんでしょう。『毛布がない』『寝る場所が狭い』といった不満を、ボランティアに来てくれた近隣の中学生たちにぶつける人がいましたね。しゅんとした表情で報告してくる子供を見ると、わざわざ子供にいわなくても、と。
あと困ったのは、原発がある地域から避難してきた人たちの部屋割り。原発反対の立場をとってきた人たちが、原発を推進してきた住民と一緒の部屋は嫌だと主張してきたのです。『あいつらのせいでこんな目にあったんだ。一緒に過ごしたくない』というのです」
被災者たちの苦悩もよくわかるだけに、行政側も対応に窮している。
※週刊ポスト2011年5月20日号