豊かなバストに憧れる女性の願いをかなえるのが豊胸術である。かつて豊胸といえば、バストを切開しシリコンバッグを入れる方法が主流だった。ところが6年ほど前から、ヒアルロン酸注入が取って代わっている。
シリコンバッグを入れる手術は、全身麻酔をかけて体にメスを入れる必要がある。その点、ヒアルロン酸による豊胸術は局所麻酔だけですみ、体を大きく傷つける心配はない。美容外科医で・東京都世田谷区のあきこクリニックの院長を務める田中亜希子医師が解説する。
「シリコンバッグでは、女性が仰向けになったときなどにバストの形が変化せず、“入れている”ということが分かってしまう。その点、ヒアルロン酸注入の場合は、触ってみても自然のバストと見分けがつきません。また、注入の量と場所によって“ちょっとだけ大きくしたい”“左右の形を整えたい”といった細かい調整が可能です」
ただし、ヒアルロン酸はしだいに体内に吸収されていくため、大きさを維持するためには定期的な注入が必要。その目安は早ければ半年、長くて1年程度だという。費用は、両胸100ccで45万円ほど。なかには婚活など“勝負”の前に注入する人もいるというが、男がそれを見分けるのはほぼ不可能だ。
また、乳頭の大きさも女性にとってコンプレックスになりやすい。この場合には、手術で乳頭を小さくする楔状切除という方法がある。
「乳首の一部を楔形に切除し、残った乳首の端と端を縫い合わせます。費用は両胸で30万円」(田中院長)
※週刊ポスト2011年5月20日号