国内

欧州カルト支部メンバーが被災地で30分間のカウンセリング

全国から被災地に駆けつけてくるボランティアは、被災者たちにとって物心両面の支えとなっている。ところが、なかにはボランティアと称して、傷ついた心の中に忍び込もうとする者も出没している。

4月中旬、宮城県南三陸町の避難所のひとつを、50代とおぼしき女性2人組が訪れた。

南三陸町の職員がいう。

「ひとりは精神科医、もうひとりは臨床心理士と名乗り、“避難所の子供たちへのカウンセリングがしたい”と申し出てきたんです。持っていたのは手書きの名刺で、2人は“東京から来た”と話していました。

本来、ボランティア希望者はいったん南三陸町のボランティアセンターで受け付けをしてもらうことになっているのですが、善意の申し出をむげにできず、泊まり込みでのカウンセリングを許可したんです」

ところがその日のうちに、やはりボランティアで避難所にいた別の医師から、「あの2人は怪しい」という声が寄せられた。

現地にいたボランティアスタッフがいう。

「地味なシャツに綿パンだったでしょうか……。格好は普通なんですが、恐ろしいほど粘着質なんです。ひとりの子供に30分以上、何やらぶつぶつと延々話しかけているし、目が笑っていなかった」

不審に思った医師が、医師会に照会するなどして2人の身元を調べてみると、欧州のある国ではカルトとみなされている組織の日本支部のメンバーだった。

とはいえ、行政側も「カルトかもしれない」という理由で排除するわけにはいかない。

「そこで『町のボランティアセンターを通して改めて来てほしい』とお願いしたんです。するとスッと姿を消しました。その後、どこに行ったのかはわかりません。町のボランティアセンターにも結局現われていないようです」(前出・職員)

※週刊ポスト2011年5月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の竹内涼真(左)の妹でタレントのたけうちほのか(右、どちらもHPより)
《竹内涼真の妹》たけうちほのか、バツイチ人気芸人との交際で激減していた「バラエティー出演」“彼氏トークNG”になった切実な理由
NEWSポストセブン
ご公務と日本赤十字社での仕事を両立されている愛子さま(2024年10月、東京・港区。撮影/JMPA)
愛子さまの新側近は外務省から出向した「国連とのパイプ役」 国連が皇室典範改正を勧告したタイミングで起用、不安解消のサポート役への期待
女性セブン
11月14日に弁護士を通じて勝田州彦・容疑者の最新の肉声を入手した
《公文教室の前で女児を物色した》岡山・兵庫連続女児刺殺犯「勝田州彦」が犯行当日の手口を詳細に告白【“獄中肉声”を独占入手】
週刊ポスト
チョン・ヘイン(左)と坂口健太郎(右)(写真/Getty Images)
【韓国スターの招聘に失敗】チョン・ヘインがTBS大作ドラマへの出演を辞退、企画自体が暗礁に乗り上げる危機 W主演内定の坂口健太郎も困惑
女性セブン
昭和の男たちを熱狂させ、虜にした菅原文太さん
【菅原文太さん・没後10年】評伝著者の松田美智子氏が振り返る、文太の「飢え」が『仁義なき戦い』で弾けた時代
週刊ポスト
第2次石破内閣でデジタル兼内閣府政務官に就任した岸信千世政務官(時事通信フォト)
《入籍して激怒された》最強の世襲議員・岸信千世氏が「年上のバリキャリ美人妻」と極秘婚で地元後援会が「報告ない」と絶句
NEWSポストセブン
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン