地震が起きるのは、海のプレートに引きずり込まれていた陸のプレートが元に戻ろうと跳ね上がり、ずれや破壊を起こすため。このプレート同士がくっついている部分が震源となる。震源では特に揺れが大きくなるが、浜岡原発はまさにプレートの境界面の真上にある。つまり浜岡原発は巨大地震の影響をもろに受けてしまうのだ。「原発震災を防ぐ全国署名連絡会」事務局長で、『放射能で首都圏消滅 誰も知らない震災対策』(三五館)著者の古長谷稔さんは、こう話す。
「さらにタービン建屋などの真下には4本の断層が存在していることもわかっています。断層は地震のエネルギーが解放される場所で、揺れが大きくなるので危険性はより高い。浜岡原発は世界のなかでダントツにハイリスクな立地に建てられているのです」
中部電力によると、浜岡原発は最大加速度(瞬間的な揺れの強さを表す数値)1000ガルの地震に耐えるとされているが、今回の東日本大震災では最大2933ガルに達するなど、近年では2000ガルを超える大地震が頻発中。
「原子炉そのものは断層を避けて、固い岩盤の上に建てられているため、揺れは周辺の2分の1~3分の1に軽減されます。つまり最大2000~3000ガル程度の地震が起こっても1000ガル程度になるのですが、そんなギリギリの耐震性で安全とはいえません」(古長谷さん)
過去最大は2008年の岩手・宮城内陸地震の際、岩手県一関市で観測された4022ガル。これに匹敵する揺れが起きた場合を考えると、その危険性は計り知れない。
※女性セブン2011年5月26日号