国際情報

内臓も食べられる猿の肉 「美味いが猿臭い」と辺境作家

 食肉文化は、捕鯨問題をはじめ、文化的衝突を生むもと。しかし、肉を喰うという行為は、原始時代から続く人類の営みだ。アフリカの奥地を旅してきた辺境作家・高野秀行氏、3匹の子豚を飼ったイラストルポライター・内澤旬子氏、奥多摩の山奥で狩猟を行なうサバイバル登山家・服部文祥氏。異色の書き手3人が、両国の獣肉料理屋で「命を戴く」意義について考えた。

 * * *
内澤:私は猿を食べたことがないのですが、美味しいんですか?

高野:猿は美味いですよ。でもやっぱり想像通り臭味があって、初めて食べた時は猿臭いと思った。

内澤:猿臭さ、っていうのがどんななのか分かんないんですけど(笑)。

高野:食べてみれば分かりますよ。本当に猿臭いとしかいいようのない臭味だから。

服部:肝も食べられますか?

高野:はい。猿の肝臓や腎臓は小さいので、雰囲気としては鳥のブツ切りが出てきた、という感じですね。興味深いのは村の人が猿をドーンっと持ってきたとき、みんなで品評をし合っているの。「脂がのってる」とか「毛並みがいい」とか、って。で、聞いていると、コンゴで「脂がのっている」というのは美味いという意味なんです。

服部:猿食は日本にも残っていますよね。僕の所属している鉄砲衆のメンバーにこういわれたことがあります。「とりあえず猿を食べてみろ。三日三晩は勃ちっぱなしだぞ」と。

高野:そんなわけないでしょう。だって俺なんか毎日食ってたけど、そんなことはなかったから。

内澤:ははは(笑)。

※週刊ポスト2011年5月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン