地震研究者たちのあいだで「いつ起こってもおかしくない」といわれている、駿河湾沖を震源とする東海地震。京都大学原子炉実験所・小出裕明助教が公表しているそのシミュレーションは衝撃的だ。
浜岡原発で最も老朽化した4号機の爆発を想定。原子炉圧力容器の中に炉心が約半分残っている状態で蒸気爆発が発生し、溶融した炉心部分が格納容器を突き破って東向きに飛散したとすると…。
「原発震災を防ぐ全国署名連絡会」事務長・古長谷稔さんはこう語る。
「被曝が原因で、将来的にがんで死亡する人は東日本全体で約191万人にのぼるというシミュレーション結果があります」
関西方面に風が吹いた場合の死者は約101万人とされる。さらに、放射性物質は、大気に乗れば数百㎞先まで飛んでいく。
「チェルノブイリ原発事故による土壌汚染の分布を日本列島に当てはめると、首都圏から関西全域が汚染地域となります。より危険なのは“東”。日本列島は西から東に大気が流れやすい。さらに雨が降れば放射性物質が落下して土壌汚染がひどくなるため、数十年以上にわたって人が住めなくなってしまうことも」(古長谷さん)
放射性物質が首都圏全域を覆うまでの時間は、気象条件にもよるが爆発からおよそ8時間だ。
※女性セブン2011年5月26日号