震災発生直後には数々の製品で供給不足が生じた。生活密着製品の供給不足の影響は思わぬ所にも現れた。
素材メーカーの工場が被災して品不足の危機に陥ったのが紙おむつだ。使用済み紙おむつを丸めて捨てる際に使う「後処理テープ」が、原材料のポリプロピレンの不足で入手しにくくなった際、ユニ・チャームはテープを使わない仕様の簡素化を2週間で実現し、生産停止の危機を乗り切った。
おむつと同じ紙製品のティッシュペーパーは小売店店頭で品薄状態になったが、ある個室ビデオチェーンでも異変が起きていた。通常個室ごとに用意されている予備の箱ティッシュが見当たらないのだ。店員によれば、震災でティッシュ不足を心配した客が持ち帰ってしまうため、予備を置かないようにしたという。
※週刊ポスト2011年5月27日号