国内

浜岡原発停止指令で菅首相 原発推進派の仙谷氏と関係改善

 菅直人首相による浜岡原子力発電所の停止要請と中部電力がそれを受け入れたことについて、経産省幹部は、浜岡停止は“捨て石作戦”だと暴露する。
 
「経産省の中枢が4月から練っていたシナリオです。総理は浜岡停止で支持率を上げたい。電力会社は定期点検が終わった原発を早く稼働させたいが、国民の原発不信解消にはきっかけがいる。総理が他の原発は止めないと約束したから、浜岡を止めることで他を生かすという作戦ができた」

 証言を裏付けるように、菅首相の浜岡停止要請と同じ日に、原子力安全・保安院は、東京電力の柏崎刈羽、関西電力の3原発、九州電力の2原発をはじめ全国9電力の15原発に対し、津波対策を終えたという保安規定を認可した。

 これで法律上は定期検査を終えた関西電力美浜原発など6基から順番に再稼働できるが、各電力会社は地元自治体と安全協定を結んでいるため、県や市町村の了解がいる。そこでこの夏に全国で「停電ドミノ」が起きる可能性が大宣伝されているのである。

 その役割を担うのが与野党の原発推進派だ。菅首相は浜岡停止を決めた日に関係が悪化していた民主党原発推進派の仙谷由人・官房副長官と会食して“手打ち”をすると、自民党の大島理森・副総裁は、「電力供給が大変心配だ」と呼応した。

「浜岡停止」は、新たな「原発暴走」への政官・与野党の第一歩なのだ。国民は決して油断してはならない。

※週刊ポスト2011年5月27日号

関連キーワード

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン