飲食店が仕入れに利用する業務用スーパーなどで、高級和牛の半値以下で売られている「霜降り牛」がある。それは、「インジェクション(注入)」という肉の加工技術によって作り出されたものだ。
製造業者が明かす。
「剣山の針が注射器になったようなインジェクターという機械を使用して、経産牛や廃乳牛の赤身部分に、風味のある国産の牛脂を注入する。注入後は瞬間冷凍し、サシ(脂身)がバランスよく見えるようにカットして出荷します」
これで、激安の霜降り牛が完成。もとの赤身肉が国産であれば、例えば「鹿児島県産牛」という表示も可能だという。
見分けるコツはあるのか。
「例えば、原料がモモ肉と表示されているのに、きれいに霜降りになっていたらインジェクションが疑われます」(同前)
※週刊ポスト2011年5月27日号