北海道のローカル放送からスタートし、いまや日本全国だけでなく海外でも放送されるまでの人気番組となった『水曜どうでしょう』(HTB)。番組にナレーターとしても登場する名物ディレクター“藤やん”こと藤村忠寿さん(45)。このほど、生き方について、仕事との向き合い方、番組にかける思いなどをつづった著書『けもの道』(メディアファクトリー)を出版した。
番組を立ち上げたのは、いまから15年前のこと。当時、大学生だった大泉洋(38)を抜擢したいきさつについては、藤やんはこう話す。
「単純におもしろかったんですね、あいつ。制作サイドから『これこれこういうことやってください』といわれて『はい、一生懸命頑張ります』じゃないんです。レポートをするとき、乳首のところだけ服を切り抜いてみたり、自分でおもしろいことを考えてくる。そういう意味では、ディレクターを信用していないというか、自分のほうがおもしろいという自負があった。センスが似ているなと感じました」
「おもしろい番組を作ること。それが自分の“役割”」と、藤やんは断言する。ともに番組を担う鈴井貴之や嬉野雅道ディレクターとの男4人がそれぞれの個性を光らせながら大きな車輪を回していく…こうして、人気番組が誕生した。
「おかげさまで主婦のファンのかたも多いんですよ。正直、どこをいいと思っていただけてるのか謎だったんですが、“教室の後ろのほうでバカ騒ぎをしている男子生徒を、仲間にははいらないけど楽しそうだなって見ている女子生徒”、そんな感覚じゃないかと思うんです」
※女性セブン2011年5月26日号