震災直後は小売店からカップ麺が消えたが、日清食品の「どん兵衛」から“かまぼこ”が消えるという椿事が起こった。日清食品は使用しているかまぼこの生産工場(非公表)が被害を受け、一時的に調達が困難になったため、一部の商品をかまぼこ抜きで出荷すると発表。
静岡と滋賀で3月下旬にそれぞれ2日間にわたって生産され、パッケージに「震災のため、緊急対応商品(かまぼこ抜き)となります」と記載された。同社によると、安定供給の使命からかまぼこ抜きの出荷を決め、他の工場から調達できたため2日分だけで済んだという。
弁当チェーンの「ほっともっと」では、全国2500店でカレーのメニューが消えた(4月中に再開)。東北地方の食材工場が被災したためだ。さらに、九州の1000店舗でステーキとハンバーグのメニューが消えたが、これは食材不足ではなく、調理が簡単なこれらのメニューを東日本の店舗に優先的に回したためだ。また、東電管内では節電のため、IH調理器を使う親子丼などの丼ものはやめ、焼いたり温めたりするだけで済む肉料理を増やしたという。
※週刊ポスト2011年5月27日号