夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、都市ガス会社に勤務のご主人(56歳)から、奥様(54歳)と、近所の土手でバドミントンを楽しんでいるときの出来事です。
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「仲がいいんですねェ」転がったシャトルを拾い上げた時、そう声をかけてきたのは清楚な若い女性。「私、高校時代、バドミントン部だったんですよ」というので、「よかったら、一緒にやりませんか?」と僕のラケットを渡すと、確かに上手で、女房とも意気投合してしまいました。
自宅に戻ると、「ねェ、息子の嫁にどうかしら? 私、一目惚れしちゃった」と女房。翌日には、「お茶の約束をしたのよ。息子の写真を持っていって、恋人の有無を聞いてみるわ」と出掛けていきました。
ところが、1時間もしないうちに憮然とした表情で帰ってきたんです。「恋人がいたのか?」と聞くと、首を振って、「あの子、英会話教材のセールスをやってるんだって。私とお茶したのも、教材を売りつけるためだったのよ!」だって。
「一緒にバドミントンをやる約束もしてたんじゃないか?」というと、「仕方ないから、アナタとやるわよ」。仕方ない? それはこっちのセリフだろ!
※週刊ポスト2011年5月27日号