ああ、これさえやめてくれたら、このクセさえ直してくれたらと妻は思うけれど、勘違いダンナは馬耳東風。群馬県在住のMさん(42才)は、30年近く髪形をキープした夫(40才)のこだわりに心底シラケているそうだ。
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ダンナの年で珍しいっていわれるんだけど、リーゼント党なの。中学生のときに嶋大輔に憧れてリーゼントにしたみたいで、それ以来、ずっと。
結婚当時は私もその髪形をそんなにヘンだとは思ってなかったのよ。ちょっと悪ぶった感じはアリかなと。でも、子供が大きくなると、なんだかな~。日に日にシラケてきちゃってさ。
「そろそろ、変えれば?」っていうと「なんで!」ってマジギレするのよ。「オレの髪形はただカッコつけてんじゃねぇんだぞ。男としての生き様なんだ。女みたいに流行で、生き方変えられるか」って、まあ、語ること、語ること。
そういわれてみるとさ。夫の職場の50代半ばの上司の髪形もヘン。宮史郎みたいな、耳の隠れた微妙な長髪で、いかにも“ザ・昭和”って感じなの。そのワケを聞いたことがあるんだけど、「物心ついたときから耳の上まで髪をカットしたことがないから、切れない」っていうの。
それはまぁいいんだけどさ、ダンナは宅配便の配達員。ときどき客に怖がられて「担当変えて」といわれるんだって。近所の公園に散歩に行くと、すれ違う親子が遠巻きに「怖いオジちゃん?」「シッ、見ちゃダメ」っていっているの聞こえるし。
それでも、「絶対に変えない」と頑張ってるわよ。「髪は女の命」っていう人もいるけど、ダンナとか課長を見ていると「髪形は男の命」みたい。
※女性セブン2011年6月2日号