アメリカが無人爆撃機「プレデター」を投入し、イギリス・フランス・イタリアが軍事顧問団を派遣するなど、泥沼化するリビア情勢。鍵を握るのは、欧米の軍事介入に対するカダフィ氏の動向だ。「奇行が多い」と言われるが、その実、同氏に関しての個人情報はさほど多くはない。国際政治アナリストの菅原出氏が、「人間・カダフィ」の“実像”と“性癖”に迫る。
* * *
注目に値するのは、最近ウィキリークスで公開された、2009年9月29日付の在リビア米国大使の外交公電だ。そして、米国側にこの外電を送ったのが、当時38歳のウクライナ人看護師・ガリーナだという点を米大使は物珍しそうに報告している。
この公電によれば、ガリーナは「なまめかしいスタイルのブロンド女性」であり、「4人の看護師のうちカダフィ氏の日常生活を知っているのはガリーナだけ。彼女なしではカダフィ氏は出かけない」とされている。
また、大使館関係者からは2人は「ロマンティック・リレーションシップ」、つまり愛人関係にあるとも指摘されている。
この女性の存在はすでに一部で報じられているが、ニューズウィーク誌では、オクサナという別のウクライナ人看護師がインタビューに応じ、
「カダフィ氏が雇った女性看護師は全員ウクライナ人。欲しいものは何でも手に入ったが、あくまでも雇い主の体を守るのが仕事で、彼の愛人になった看護師はいない」と語っている(SAPIO2011年4月20日号より)。
愛人関係があったかどうかははっきりしないものの、彼女たちの存在から、「カダフィ氏は東欧のブロンド女性好き」と見られているのは事実だ。
※SAPIO2011年5月25日号