医療がいくら進歩しても、肥満の患者に対しては、多くのドクターが文句たらたらだという。「こんなに脂肪があったら切れないよ」――。
だが、脂肪の多寡にかかわらず手術料金は同じ。しかし肥満体の場合は、採血にしろ心電図、注射でも痩身の患者より余計に手間がかかる。
「脂肪加算料金がほしい」――これも医師のホンネだ。
ドクターの世界は依然として男性主体。手術室でも女性の話題やシモネタが必ず飛び出す。関東の大学病院の外科医、仁科桜子医師に話を聞こう。
「合コンの成果や、どの看護師がかわいいなんて、毎度のことです。もっと露骨に、あの看護師とホテルに行ったなんて、自慢とも懺悔ともつかぬことを報告するドクターもいます」
最近は、製薬会社のMR(医薬情報担当者)に若い女性が多い。手術室では彼女たちの品定めが、新たに話題として定着しつつある。
「男性のMRにはそっけなく対応するくせ、女性だと愛想のいいドクターが多いですね」ただ、さすがに手術室で女医や看護師を口説く医師には「まだ出会ったことがありません」とのことだ。
とはいえ、患者が生死の境をさまよっているのに、頭上では熱心にギャル話が交わされているとは――チト、複雑な気分ではある。
※週刊ポスト2011年6月3日号