今加入している保険を見直すだけでほとんどの人が大きく得をするという。保険を見直せば、保障の充実、コストダウン、資金効率の向上という3つのメリットが考えられるからだ。では、どんな人が保険を見直したほうがよいのか、財務支援研究所所長の小島宏之氏が解説する。
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生命保険の加入率は8割近くに上り、ほとんどの方はすでに何らかの保険に加入しています。新たに加入するというよりも、いま自分が契約している保険を見直すだけで、今後の不安が取り除けるばかりか、コストダウンにも繋がります。下のチェックリスト10項目(※)のうち、ひとつでも当てはまる場合は、ぜひ保険の見直しを検討していただきたいものです。
(※)保険の見直しチェックリスト10
【1】保険会社の知人や友人から付き合いで「入ってくれ」といわれて契約した。
【2】「予算月1万円の範囲内で」などと自分から申し出て設計してもらった。
【3】とにかく最低のコストで全ての機能が満たされるものを設計してもらった。
【4】両親が契約してくれていた保険をそのまま引き継いでいる。
【5】「下取りして最新設計に」といわれて転換契約をした。
【6】「先進医療や保険料払込免除などにも対応」などという枝葉の文言で決定した。
【7】保険料の異なる複数案を提示され、しっかり比較検討しないまま契約した。
【8】保険設計の前に家計収支分析や医療費の実態などに関する十分な説明がなかった。
【9】契約までに少なくとも3回以上、6時間の面談時間をかけなかった。
【10】総払込保険料や本人が60歳、子どもが18歳になった時の積立額がわからない。
まず【1】に該当する人は、義理や人情に厚いのかもしれませんが、はっきりいえば、保険会社側にいわれるがままで、中身がわかっていない。一方、【2】や【3】は少しでも安いものを求めたのでしょうが、肝心な時に必要な保障が得られない「安かろう、悪かろう」に陥っている可能性があります。【4】も中身がわかっていないのは明らかです。
【5】と【6】は保険会社の常套句であり、セールストークに乗せられて、必ずしも契約者が有利になるケースばかりではないことに注意を払うべきです。そして【7】も保険会社の常套手段であり、一見、契約者に選択の余地があるように思われますが、保障に対するコストと資金効率のバランスが悪いものになっている恐れがあります。
【8】や【9】は、保険会社が相場の話ばかりをして、個人個人の実態にそぐわないケースも考えられます。
そして、意外に多いのが【10】のケース。高い保険料を払っているのに、自分や家族がいったいいくらもらえるのか把握していないのは言語道断です。すぐさま保険証書を見直すことをお勧めします。
保険というものは往々にしてかけすぎている、つまり「過大保障」であることが少なくありません。これを最低限必要な「適正保障」に見直すだけで、家計のバランスは驚くほど向上する。場合によっては、それだけで支払う保険料が半分に抑えられるコストダウンにつながったり、途中解約した際に受け取れる解約返戻金というリターンが10倍に増えたりするケースも実際にあるのです。
※マネーポスト2011年5月号