「不夜城」歌舞伎町は復活するか。歌舞伎町の住人を訪ねて歩く二回目は、元カリスマホストでホストクラブ「R-shanguli-la」のオーナー、頼朝さん。(取材・文 神田憲行)
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震災とそのあとの「自粛ブーム」みたいなのはありましたが、僕らは「元気アゲアゲ産業」なんで、下ばかり向いていられません。震災当日も店は開けましたよ。
というのは僕らのお客さんて、一人暮らししている女の子が大半だから、ひとりで家にいたら怖いんじゃないかと思ったんです。店に来れば男性がいるし、避難所的に使ってもらえたらと。実際、3組いらっしゃいましたよ。
従業員のホストたちには「こういうときこそ、友人よりも、家族よりも先にお客さんにメールしろ」と伝えて、がんがんメール送らせました。あと放射能対策で「メコンブ食え」とか、テレビやネットで情報収集しながら指令出していったんですが、店に顔を出ないから「頼朝さんがハワイに逃げた」とか噂たてられて、僕が風評被害受けてましたよ(笑)。
そのあと三日間は閉じていたんですが、お客さんの戻りは早かったですね。やっぱり「一人でいたくない」という気持ちもあったし、あと「早く震災前の普通の生活に戻りたい」という気持ちもあったようです。僕らができることは、震災前の楽しい時間を取り戻してあげることだと実感しました。
そういう僕らの仕事が自粛ブームのなかで叩かれることもありました。震災当日に営業してたことをネットで叩かれてたみたいだし。でもしょせん、僕らはなにをしても叩かれるんですよ。でも売り上げから義援金も送っているし、都庁が支援物資の受け付けを始めた初日に、ペットボトルの水20ダースくらい持って行きました。自分らで出来ることはしているつもりです。
これからは被災地へのボランティアも考えています。07年の新潟県中越沖地震のときは他の店とも連携してチャリティーをして、その売り上げを義援金として直接持って行ったんですが、ただ行くだけだと他のボランティアの人たちの迷惑になってしまうとわかりました。
なので今は自衛隊やベテランのボランティアグループさんたちの出番で、「頑張れ日本」「頑張れ東北」のあとに、ちょっと和みたい、さっき言った震災前のような楽しさを想い出したいというときに、僕ら歌舞伎町の男たちの出番かなと思ってます。