女優・柴田理恵(52)が初めて自身の母、須美子さん(82)について綴ったおもしろエッセイ『台風かあちゃん』(潮出版社、1100円)がこのほど出版された。
ページを繰れば、須美子さんの超人的おもしろエピソードがてんこ盛り。17才で小学校の代用教員となった彼女の武勇伝は数しれない。赴任先まで往復16kmの道のりを徒歩で通い、生徒たちの引率で行った動物園ではメガネをサルに取られて取っ組み合いのケンカ。
また、正規の教員となった後は、男性の同僚たちに負けじと連日飲み歩き、麻雀までつきあった。男性教師と意見が衝突し、取っ組み合いのケンカをして自身の肋骨を折ったりも…。激烈なのだ。
だが、須美子さんは「キャリア女性」なんていう言葉もなかった時代に、いわゆる“職業婦人”として自分の足で立った女性だった。その自立にどれほどの苦労があったかは想像に難くない。
「正しいことを“大人の事情”で周囲に迎合して曲げるようなことは決してなかったと聞きました」(柴田)
例えば、「給食の主食はパン」とお上から通達されたときも、「米を持っている農家の子が給食費を払ってパンを食べるのはおかしい!」とひとり反対。教育委員会に呼び出されてもひるむどころか、教頭に怒りの反論をぶちまけたほどだった。
※女性セブン2011年6月9日号