男の甲斐性や生き甲斐に“個性”の香辛料をかけすぎるとどうなるか。押しも押されもせぬ見事なバカダンナのでき上がり~! 新潟県在住のEさん(51才)の夫(54才)は、お金をかけすぎてしまったようです。
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近所の奥さんが料理教室を開いたの。さっそくダンナを誘って参加したら、ダンナだけハマっちゃった。いままで仕事、仕事で趣味はカラオケって人がさ。朝から料理番組見てるのよ。スーパーに買い物に行くとついてきて、覚えたばかりの素材の選び方をあれやこれやと。
「ふんっ、そんなこと百も承知だわ」といいたいところをグッとこらえて「あら、そう」と初めて聞いたような顔をしてあげたわよ。どんなことでもダンナがヤル気なのはうれしいから、作ったものは「おいしいわぁ。パパって料理の才能あるよ」と、娘に目配せして平らげた。
あ~あ。調子に乗せすぎちゃった。最初は近所のスーパーで買い物していたのにデパ地下をウロつきだし、ついにはネットでお取り寄せ。「いまの時代、男子も厨房にはいらなきゃな。まさにダンチュウだろ」って。
この前もご近所を招待してカレーパーティーをするっていうの。張り切ってひとりで作って、それはなかなかの味だったんだけどさ。片づけのときに材料のレシートを見てビックリしたなんてもんじゃない。
な、なんと、取り寄せた100g800円の牛肉は1.5kg。15種類の香辛料のお値段が7500円。その他、野菜につけ合わせのらっきょうの酢漬け、福神漬けまで驚きの値段で、しめて15皿のカレーのお値段が、3万円弱だって。
このとき「どんなカレー店で食べたのよりおいしいっ。すごいっ」と絶賛されたのがよほどうれしかったんでしょう。それ以来、何人分ものカレーを作って「Kさんちにあげようか」っていうように。Kさんちは5人家族。カネに糸目をつけずに作ったカレーを鍋であげたら、そりゃ喜ぶわよ。
※女性セブン2011年6月9日号