こまめに灯りを消したり、使っていない時はコンセントを抜く──節電意識は高まっているが、意外な落とし穴もある。
コンセントを抜いて待機電力を抑えるというのは、基本のように思われるが、最近の薄型TVなどは待機電力が小さく、コンセントを抜くと再度接続する際に番組情報の再取得などで、余計な電力消費に繋がることも。
またエアコンなどはこまめに切るより、設定温度を控えて「省エネモード」で使用する方が、より節電効果があるという。
生活の中で消費電力を抑える方法はさまざま。今回の「節電ムード」のなかでは、エアコンと冷蔵庫に注目が集まっているが、電気を使うのは洗濯機も同様。
しかも、洗濯には節電だけでなく、節水も節電に繋がるポイントがある。節約アドバイザーの和田由貴さんに洗濯の節約ポイントを聞いた。
「水も送水や下水処理などに大きな電力を必要としていますので、節水をすることは間接的にも節電につながっています。
節水効果が大きいことは節電への大きな貢献です」
花王から2009年8月に発売された『アタックNeo』は、「すすぎ1回」をキャッチフレーズに、家事の時短や節電・節水のエコ洗剤として人気の商品だ。
こうした洗剤の使用ですすぎ回数を減らすと、節水効果のほか全自動洗濯機の場合1回で、タテ型なら9~20kWh、ドラム式で15~30kWhの節電になる。
毎日どころか1日に2度も3度も洗濯機を回す家庭はもちろん、こうした積み重ねは大きい。東京電力管内の全世帯が「すすぎ1回」洗濯を実践すると、1か月で約42万kWhの節電になるという試算もあるほど。
「省エネ家電に買い替えるような、ハード面の対応も重要ですが、使用する洗剤といったソフト部分でも、大きな節電効果が得られます。
これからの季節、エアコンを使わずにがまんするというような節電は、精神的にも、身体的にも負担が大きいのでおすすめできません。節電は継続が重要です。無理をするとストレスがかかり、長続きしません」(前出・和田さん)
ムリながまんでスイッチを切る前に、それぞれの家電特性に合わせた“仕分け節電”を実践することが、効果的で、賢い、快適な節電スタイルなのだ。