大幅な電力不足と冷房自粛で、今年はこれまで経験したことのない“暑い夏”がやってきそうだ。これを受けてスタートする「スーパークールビズ」。一体どこまでやるべきなのか? 各社の動きを追った。
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ある大手総合商社では、着用するシャツの丈や袖の長さを巡り、侃々諤々の議論が展開されたという。
「『ポロシャツの裾を出すのはだらしないからダメ』『いや、今は出すのが前提で裾が短くデザインされているものがある』などと社内で意見が真っ向から対立。『じゃあ、裾が短いか長いかは誰が判断するんだ』ということになって、ようやくポロシャツがNGという結論になりました。
また、女性のノースリーブは本来NGなのですが、『肩が少し隠れる一分袖は認めるべき』という異論が出ました。『どこまでがノースリーブで、どこからが一分袖か』なんて論争になり、こちらもすったもんだのあげくNGとなりましたが、納得していない社員もいて、夏本番になって同じ議論が蒸し返されることもありえます」(同社役員)
別の総合商社の女子社員の証言。
「うちの会社は部署によって服装がまちまち。さすがに営業はスラックスばかりですが、法務にはハーフパンツ、経理にはアロハの男性がいるとの噂です。女性はノースリーブがぎりぎり許されている雰囲気があります。その理由は、着ているのが年上のお局さん系に多くて、それで注意したくてもできないようです。そんな肌を出す年齢でもないだろうと思いつつ、なかなか注意しづらいらしいんです」
この商社では、これとは別の問題も表面化している。
「若い女の子では、一昨年、新人の一般職の子たちがベアトップとかキャミワンピなど肩丸出しの服装で社内をうろうろして問題になり、『オフィスカジュアルを履き違えるな』という勧告メールが総務から出されました。にもかかわらず、昨年も同じような問題が起きていたから、多分今年もあるんじゃないでしょうか。
お局のノースリーブが認められ、新人のキャミワンピが許されない、という、会社の線引きの根拠がよく分からないという声が出ています」(前出・女子社員)
※SAPIO2011年6月15日号