福島第一原発の記事が氾濫しているが、ライターの鈴木智彦氏が、第一原発で作業員として働きながらその内情をレポートする。
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どれだけ政府が圧力をかけようと、東電が懇願しようと、現場では実際に作業を行なう人間の発言力が強い。いまの福島第一原発は、それぞれの作業員が持つ高いモラルにより、かろうじて安全が担保されている状況だ。
一方、自分の立ち位置を正反対から眺めると、マスコミのいい加減さがよく分かる。匿名を条件に取材に応じたのに実名を出す新聞。業者の経営者たちの携帯電話番号を勝手に横流しするテレビ番組のディレクター。
私も携帯電話端末のカメラでマスコミ関係者が業者に平謝りする動画を撮影した。
※週刊ポスト2011年6月10日号